人が作ってないもので、みんながわっと驚いて、自分も作って楽しいもの。
『あにゃにゃ』さん
〜つくるひとcafe作家さんインタビュー〜vol.3
あにゃにゃさん

高校時代の選択科目の工芸で体験したもの作り。その楽しさが活動の原点となる。
結婚・出産後しばらくして1冊のクラフトバンドの本との出会いから、クラフトバンドを始める。
『手のひらサイズ』『見た人が驚く』をコンセプトに、可愛らしいカラフルな小物雑貨をクラフトバンドで作る。
2020年10月からminneでの作品の販売も開始。
インタビュアーきっしー

つくば市在住のWEBライター。
つくるひとcafeでたまにノマドワークをしてる人。管理人からの依頼により、インタビュアーを努めさせていただくことに。
初めての目線から、つくるひとcafeの作家さんの魅力を探る。好きなタレントは本田翼。
☆☆☆☆☆
きっしー:はじめまして、こんにちは。まずは読者の方へ自己紹介をお願いします。
あにゃにゃ:クラフトバンドの作家をしてます。あにゃにゃと申します。札幌出身で、札幌で就職後、結婚を機に茨城へ来ました。
きっしー:北海道のご出身なんですね。北海道は行ったことがないのですが、壮大で食べ物がとても美味しいというイメージです。
あにゃにゃ:北海道はとても広いですよ。わたし自身は札幌と函館でしか暮らしたことはないですが、北海道のぜんぶが好きですね。食べ物は美味しいです。
きっしー:あにゃにゃさんのなまえの由来はなんですか?
あにゃにゃ:そう、ぜひ聞いてください!大した理由ではないんですけど、世界史とかにでてくるカタカナの名前の横文字が覚えられくて。笑
きっしー:ナントカ・アウグスティヌスとかですか?笑
あにゃにゃ:はい、ああいうのが全然覚えられないんです。それにカタカナや英語表記で活動されてる方はたくさんいらっしゃるから、自分も同じにしてしまうと全然目立てないなと考えました。
きっしー:あえてひらがなの表記にしたんですね。『あにゃにゃ』というのは意味があるのですか?
あにゃにゃ:すこし聞いた時にダサっと感じるような、この名前なんかダサいなというので覚えてもらおうと考えました。そこで、ぱっと思いついたんです!
きっしー:ぱっと思い浮かんだ⁉︎『あにゃにゃ』にしようとですか⁉︎
あにゃにゃ:家族も「えっ⁉︎」っていう感じでした。笑
きっしー:「どこから出てきたの?その言葉。」ってなりますね。ところでクラフトバンドを始めたきっかけはなんですか?
あにゃにゃ:きっかけは4年くらい前に本屋で、クラフトバンドを使ったミニチュアハウスの作り方の本と出会ったことです。見つけた時に「これだ!」と思いました。
きっしー:それまではクラフトバンドをされてた訳ではないんですね。
あにゃにゃ:はい。それまでは自分の子ども向けに、フェルトを使っておままごと用の果物や野菜とかを作ってました。子どもは女の子二人なんですけど、わたしが作ったフェルトで全然遊んでくれなくて。笑
きっしー:あー、それはざんねんでしたね。
あにゃにゃ:フェルトの本を見ながら作ってたんですけど、二番煎じみたいな感じがして。何か販売するなら、あまり人がやってないものをと考えていました。
きっしー:そこでクラフトバンドの本に出会うんですね。
あにゃにゃ:そうです。その時にわたしはこれだ!と思いました。
きっしー:うなずき
あにゃにゃ:高校は普通科でしたが選択授業で工芸がありました。七宝焼とか、粘土とかあって、そういうのが楽しかったんです。その中で籐細工を作ることがあり、籐のカゴ作りならクラフトバンドで作ったりできる。やっぱりこれだ!と感じたんです。
きっしー:小・中学生のころは物づくりに興味はなかったんですか?
あにゃにゃ:まったく興味がなかったんです。
きっしー:なるほど。工芸の体験の楽しさが原点にあるんですね。手のひらサイズの作品というのには何か意味があるのでしょうか?
あにゃにゃ:いわゆる普通のサイズでバッグとかカゴを上手につくる方はいっぱいいらっしゃって、わたしはこの分野ではないなと感じました。
きっしー:そこでは勝負しないと。
あにゃにゃ:かといって、もっと小さいミニチュアサイズも好きだけど、飾ったときにもう少し存在感のある大きさがいい。そして自分が作っていて楽しいものと考えた時に、手のひらサイズだと思いました。手のひらにちょこんと乗るくらいの大きさのものがいいなと。
きっしー:コンセプトがしっかりされてますね。作品をSNSで拝見させていただいて、どうやって作られてるのかと気になってました。
あにゃにゃ:ふふふ。ちょうど今日持ってきていまして。
ーカバンから道具を取り出すあにゃにゃさん
あにゃにゃ:いかにクラフトバンドだけで作るか。百均で売られているような作られたパーツから組み立てるというのもあるけど、クラフトバンドのみで作る。わたしはこれが面白いんです!

きっしー:初めて見ました。こちらがクラフトバンド?
あにゃにゃ:クラフトバンドと。そして、これが三種の神器です!

三種の神器
きっしー:おお!三種の神器!いいキーワードいただきました。笑
あにゃにゃ:ほかにも道具を使うことはありますけど。
きっしー:この3つがあれば基本、クラフトバンドを作ることが出来るんですね。
あにゃにゃ:お花を作るとこうなります。(クラフトバンドを)切って、曲げて、貼って、作る。笑

きっしー:あ、すごい!ちなみに一つの作品にどのくらいの時間がかかるんですか?たとえばこのお花とか。
あにゃにゃ:んー時間…。たとえばこの花びらとかは、1分間で7枚くらい作ります。
きっしー:この小さい花びらを⁉︎すごくはやい気がする。
あにゃにゃ:でも7枚が限界でした。笑
きっしー:(花をちょっと触ってみて)ひとつひとつ意外と硬くて丈夫ですね。
あにゃにゃ:そうなんです。硬いので曲げるのにペンチがいるんですね。指でやるのはちょっときびしいですね。
きっしー:貼る時はのりを使うのですか?
あにゃにゃ:木工用ボンドです。こういうの(下の写真)をあらかじめたくさん作っておいて、リースを作る時にとかに使っています。

きっしー:へー。お子さんも一緒に作られるんですか?
あにゃにゃ:もう二人とも小学生だから曲げたりはできるけど、まだ少し難しいかな。わたしの作ったものの切れ端とかで、自由に作っています。
きっしー:ワークショップはやられてないんですか?
あにゃにゃ:そう。やれればいいんですけどね…苦笑
きっしー:人に会うのが苦手でいらっしゃるという話を少し伺いました。
あにゃにゃ:そうなんです。わたしの性格をひとことでいうと、HSPって最近よく聞きますが、敏感すぎる人、まさにその気質です。その気質が悪い方に出るときもあります。
きっしー:そうでしたか。
あにゃにゃ:人と喋ってても、あとから話したことを後悔したりとか、友達と遊んでるけどすごく疲れたりとか、そういうのが多いですね。2、3年前に起きたことでも、いまだにすごく考えてしまうことがあって、考えていくうちに、だんだんと人はいいや、ってなってしまいます。
きっしー:うなずき
あにゃにゃ:だから、つくるひとcafeに納品にくる時も、人の少ない朝の早い時間にきてササっと納品して、人の来ないうちに立ち去るみたいな。笑
きっしー:笑
あにゃにゃ:数年に渡って気質が辛く出ることもあるのですが、でもいまは気持ちが上向いている時期です!
きっしー:よかったです。その時期にインタビューができて。笑
あにゃにゃ:そうなんです!タイミングがよかった。笑
きっしー:家でひとりで作業されることが多いんですか?
あにゃにゃ:大好きですね。
きっしー:いままでの作品で自信作ってありますか?
ーカバンから取り出し

あにゃにゃ:最近だとこれをつくった時は、我ながら「いいでしょ!」って思いました。笑
きっしー:やば、うまそう!これも全部クラフトバンドですか?
あにゃにゃ:そうです!わっぱもバランも全部クラフトバンドで作りました。肉団子の『照り』はボンドで出しています。
きっしー:ほんとだ、照りがある!

照り感。写真でうまく伝わってますでしょうか?
あにゃにゃ:うすーく塗って、乾くと透明になるんです。ボンドっていい仕事するんですよ。笑
きっしー:たしかに。笑 そしてこれがプチトマト、これはサツマイモ。
あにゃにゃ:インゲン、にんじん。
きっしー:ごはん、ふりかけ。笑 へーすごい!これは本当においしそう!バランはどうやって作ってるんですか?
あにゃにゃ:1本に割いたクラフトバンドを広げるんです。
きっしー:お弁当箱の底は?

あにゃにゃ:丸く切った厚紙にクラフトバンドを貼っていきます。
きっしー:手が込んでますね。照りはボンドをそのまま塗っているんですか?
あにゃにゃ:はい。他にもたとえば、水みたいにしたいときは薄く塗って乾かしてを繰り返します。
きっしー:なるほど。
あにゃにゃ:飾って置いたときに、見た人にびっくりしてもらえたら嬉しい。本当のお弁当箱くらいの大きさではないですけど、ひとまわり小さく。
きっしー:手のひらサイズですね。これもすごい!マカロニ、エビフライ。

あにゃにゃ:インゲンを胡麻和えにしてみました。
きっしー:ゴマもクラフトバンドですか?
あにゃにゃ:茶色のクラフトバンドを細かく切って。
きっしー:へー。
あにゃにゃ:このわっぱ弁当の小さいのキーホルダー、ストラップもあって、ありがたいことにみんな売れました。
きっしー:小さいとはどれくらいの大きさですか?
あにゃにゃ:直径3センチのわっぱ弁当。クラフトバンドを1本にさいて細かくするんですよ。


きっしー:こういった作品も、ボンド、クラフトバンド、三種の神器(はさみ、ピンセット、ラジオペンチ)のみで作られるんですね。
あにゃにゃ:そうなんです。
きっしー:何かハンドメイドをやってみたいなというときに、クラフトバンドは始めやすいですね。家にすでにありそうな道具で始められるし、クラフトバンド自体もそんなに高くなさそうですし。
あにゃにゃ:そう、始めやすいと思います。クラフトバンド自体はジョイフルみたいな量販店で3〜400円くらいで買えます。
きっしー:最初の費用もかからないですね。ところでSNSで作品の写真を拝見したのですが、写真をめっちゃ綺麗に撮られてるなって思いました。


あにゃにゃ:今年の10月からminneで販売を始めたんです。minneで販売するには写真が大事だということを聞きました。だけど撮影ボックスとか買えないから、画用紙や厚紙を敷いて工夫して撮ってます。
きっしー:へー、そうなんですね。
あにゃにゃ:家にある適当な箱の中に画用紙を貼ったり敷いたりして、作品をそこにのせて、あとは太陽の光を使って撮っています。
きっしー:売っていくことを考えた時に作品の写真が大事になるんですね。写真を撮ること自体はもともと好きだったんですか?
あにゃにゃ:興味がなくて、ほんとに下手でした。ブログとかSNSに写真を載せるようになってから少しずつ上達したと思います。カメラはスマホを使っています。
きっしー:お金を掛けずにうまくやられてますね。
あにゃにゃ:わたしが意識してることなんですけど、いかに無駄にせずにつくるかというのが大事なポイントです。失敗したからポイポイっていう感じではなくて。
きっしー:コスト意識が高く、経営者という感じもします。そういえば、ブログもアメブロをやられてますね。
あにゃにゃ:ブログは作品の写真を載せるくらいで文章を長くは書いておらず、私生活についても触れてないですね。
きっしー:うなずき
あにゃにゃ:ブログに限らずですけど、作品を見て、その瞬間に「おっ!」となってくれたら嬉しい。むしろそれが大事と考えてます。つくるひとcafeでも見に来てくださった方が、「おお!なんじゃこれ?」ってなってくれてるのを想像してます。その場面は見れてないですけど。笑



細かいところまで再現されてます!

クラフトバンドで波の感じも表れている。

フェルトを作りのご経験がここで生かされてます。

うまく撮れませんでしたが、バケツの中にお魚さんがいました!
きっしー:アメブロやminneを始める前からレンタルBOXはされていたんですよね?
あにゃにゃ:レンタルBOXを利用し始めたのはこの場所が初めてで、今年で4年目になりました。
きっしー:クラフトバンドで今後の展開をなにか考えられてますか?
あにゃにゃ:いますぐは何か次のことをするのは気持ち的に難しいけど、直近というよりはおばあちゃんになったくらいの時の夢ならあります。自分のお家で作りたいです!みんなと!
きっしー:お家でみんなでつくるというと、家族以外の人たちも呼んで、ワークショップ的なことをということですね?
あにゃにゃ:はい。お友達や、やってみたいと言ってくれる人と、作って販売したりして、そして、みんなとおしゃべりしたい!
きっしー:素敵な目標ですね。
あにゃにゃ:参加してくれる子ども達が、「わー、おばちゃん!」って駆け寄ってくれるような、子どもが「ねえ、聞いて」って、わたしが「なーに?」って聞けるような人になりたい。
きっしー:いいですね。
あにゃにゃ:いまここで言っておかないと、心がめげるから。有言実行の『有言』だけはしておこう。笑
きっしー:楽しそうですね。やってみたいことは口に出すといい、とも言いますしね。他にはレンタルBOXを利用しての感想・エピソードはありますか?
あにゃにゃ:うーん、エピソード。なにせ人に会わないようにしてますから。笑 ハンドメイド作家さんって積極的に人と関わってる、ってイメージがありますけど、わたしはそういうのが全くないんです。
きっしー:うなずき
あにゃにゃ:つくるひとcafeの他の作家さんには、ほとんどお会いしたことはないんですが、作品をみながら、きっとこういう方なんだろうなって想像を巡らせてます。きっと優しい方なんだろうなとか、ユニークな方なんだろうなとか。
きっしー:作品から作家さんを連想してみるとか、それもレンタルBOXの楽しみ方かもしれませんね。それでは最後に、これから作家さんをやってみたい方へメッセージをお願いします。
あにゃにゃ:想像力かな。想像力を持つというのが大事です!
きっしー:なるほど。相手に対する想像力ですか?
あにゃにゃ:こんなの作ったら楽しいかも!という制作への想像力も大切です。さらにその先、これを見てくれる人、手にとってくれる人はどう驚いてくれるかな?とかどう飾ってくれるかな?という想像力も大切だと思います。
きっしー:今回のインタビューは井出さん(つくるひとcafe管理人)の後押しもあって、受けていただいたそうですね。
あにゃにゃ:インタビューを受けたのは、気持ちが上がってきたところと、あと井出さんが後押ししてくれるんですよ。茨城に来て大変なこともあったし、人に傷ついてしまうこともあるけど、でもそこから救い上げてくれるのも人なんですよね。
きっしー:うなずき
あにゃにゃ:つい最近ですけど、「頑張らなくていいのよ、自分を大事にすればいい、人の目を気にしなきゃいい」って井出さんに声をかけていただいて、すごく楽になりました。
きっしー:よかったですね。
あにゃにゃ:ほんとに自分に大事な言葉をかけていただいて、気持ちが這い上がった。だから、いつも買ってくださってる方にありがとうを伝えるにはインタビュー受けることだと思いました。なので、「わたしはこんな人だよ」って伝えてもらうのをライターさんに託しました。(冗談)
きっしー:おお、プレッシャーです。笑
あにゃにゃ:レンタルBOXで最初に売り出した時は3ヶ月と決めていました。戦略的に始めたから、売れなかったらちゃんとやめようと考えていました。
きっしー:うなずき
あにゃにゃ:でも毎月いつも買ってくださる方がいるから、レンタルBOXを始めて4年目を迎えることができたんです。
きっしー:ありがたいことですね。定期的に買ってくださってる方はご存知なんですか?
あにゃにゃ:それがほんとに全然分からないんです。人に会わなくて分からないんですけど、いつも応援してくださってる方、この場をお借りしてお伝えしたいです。
ほんとうにありがとうございます!!
きっしー:インタビュー、ありがとうございました。
☆☆☆☆☆
インタビューを終えて
11月の中旬、午前中に行われた今回のインタビュー。つくるひとcafe前のイチョウ並木?の紅葉はまだ見頃感はありつつも、朝の寒さとすこしづつ葉が散りゆく感じから冬の訪れを感じました。
あにゃにゃさんは、とても明るい印象を受け、取材を楽しく行わせていただきました。(もちろん、いままでの取材もですが。笑)取材を受けていただいたタイミングも良かったということで、なによりでした。このインタビューで、あにゃにゃさんの人柄が少しでも伝わっていただけたら幸いです。
今回もありがとうございました。(きっしー)
あにゃにゃさんツイッター:https://twitter.com/twimitwimi7
あにゃにゃさんインスタグラム:https://www.instagram.com/anyanya_twimi/
あにゃにゃさんアメブロ:https://ameblo.jp/7165ameba7165/
あにゃにゃさんminne:https://minne.com/@anyanya-twi